今回はビットコインと電子マネーの違いについて分かりやすく解説します。
電子マネーとは
電子マネーとは、法定通貨をデジタル化して決済することで、現金と同じように物を買ったり、サービスを受けることができます。
日本では、紙の紙幣や硬貨の代わりとして活躍しています。
クレジットカードは、暗証番号やサインを求められますが、電子マネーだとスマホやICカードをかざすだけで済みます。
また、支払い情報はすべてデータ化されているので、支払い履歴やチャージ残高などお金の流れを把握することができます。
電子マネーは大きく以下の4つに分類できます。
- 交通系電子マネー:「Suica」や「PASMO」など電車やバスで利用できるもの
- 流通系電子マネー:セブンアンドアイの「nanaco」やイオンの「WAON」など日常の買い物で使えるもの
- クレジットカード系マネー:「iD」や「QUICPay」など電子マネーとクレジットカードを連携させるもので、現金をチャージする必要がないもの
- QRコード決済系マネー:「PayPay」や「楽天ペイ」など、スマホとクレカや銀行口座などと連携させるもの
また、電子マネーの支払い方法は3通りあります。
- 先払い(プリペイド)方式:事前に現金をチャージする必要があり、「Suica」や「PASMO」が代表的
- 後払い(ポストペイド)方式:クレジットカードと連携しているため、後日請求が来る
- デビット方式:電子マネーで決済すると、決済直後に銀行の残高から引き落とされる
先払い(プリペイド)方式は、事前に必要な額をチャージしなくてはなりません。
また、後払い式だとお金を使っている感覚が薄まるため注意が必要です。
ビットコインと電子マネーの違い
一言でいえば、ビットコインは通貨そのもの、電子マネーは通貨が形を変えたものというのが大きな違いです。
- 通貨で「ある・ない」
- 物理的カードが「ある・ない」
- 単位が「円・BTC」
- 発行主体が「ある・ない」
- 海外で「使える・使えない」
- 価格変動が「ある・ない」
もう少し具体的に違いを解説します。
ビットコインは通貨、電子マネーは通貨ではない
ビットコインは、円やドル、ユーロと同じ通貨ですが、電子マネーは通貨ではありません。
電子マネーは通貨の代わりとして決済することはできますが、通貨自体ではありません。
ビットコインには物理的カードがない
ビットコインと電子マネーの違いは物理的カードの有無があげられます。
PayPayや楽天ペイ、モバイルSuicaなどは別ですが、ビットコインには物理的カードが存在しません。
取引所が用意した「ウォレット」のアプリをスマホに入れて使います。
財布というよりも、口座そのものを持ち歩くイメージです。
単位が違う
ビットコインと電子マネーでは通貨の単位が違います。
- ビットコイン:BTC
- 電子マネー:円
電子マネーは円の代替手段でしかありませんが、ビットコインは円やドルと交換可能なお金そのものです。
発行主体の有無
電子マネーは中央管理者が存在し、特定の企業が運営をしています。
例えば、SuicaはJR東日本、WAONはイオンなど特定の企業が発行していますが、ビットコインには発行主体がありません。
ビットコインの開発者は存在しますが、特定の管理者・運営元は存在せず、ユーザー全体で管理しています。
そのため、ビットコインは非中央集権的という特徴があります。
使用範囲の違い
日本の電子マネーは海外では使えませんが、ビットコインは海外でも使えます。
したがって、ニューヨークでもブラジルでも日本国内と同じように使えます。
個人間送金の可否
ビットコインはアドレス(ビットコイン口座のようなもの)を持っている人であれば、世界中誰にでも送金することが可能です。
使っている取引所やウォレットが異なっても可能です。
しかし、電子マネーは個人間送金ができません。
一部、PayPayや楽天Payなどはユーザー間で送金が可能ですが、異なるサービス間では送金ができません。
価格変動の有無
電子マネーの価値は固定です。
しかし、ビットコインの価格は買い手と売り手のバランスによって日々変動しています。
買いたい人が多ければ価格は上昇し、売りたい人が多ければ価格は下落します。
ビットコインと電子マネーの違いまとめ
ビットコインと電子マネーの違いを以下のようにまとめました。
ビットコイン | 電子マネー | |
通貨であるか | 通貨である | 通貨ではない |
発行元 | 発行元がない | 発行元がある |
単位 | BTC | 円 |
個人間送金 | 可能 | 不可能 |
価格変動 | 変動 | 固定 |
使える場所 | 世界中 | 国内のみ |
物理的カード | 存在しない | 一部存在する |
両者は一見似ているようですが、全くの別物です。
大きな違いは発行元の有無で、ビットコインだと国内・国外関係なく使える、海外送金が可能な点がメリットです。
今後国内でもビットコイン決済の可能なお店やサービスは増えてくると予想されます。
利便性が高く、投資先として魅力のあるビットコインを保有するメリットは大きいでしょう。